研削といし取替試運転作業者
研削といし取替試運転作業者にに対して行わなければならい特別教育の一つ。
「自由研削」と「機械研削」があり、建設業において使用されるのは「自由研削」。
砥石の取替・試運転を行う人が受ける教育であって、すでに砥石の試運転が終わっている研削砥石を使用するだけの人は、取る必要はない。
ただし、「その日の作業開始前に1分以上の試運転をしなければならない」となっているため、その日の作業を行う作業員の中に一人以上、研削砥石の資格者が必要。
研削といし取替試運転作業者(自由研削)
資格概要
資格区分:特別教育
受講日数:1日
受験要件:満18歳以上
関係法規:安衛法 第59条、安衛則 第36条1号
難易度:受講すれば取得可能(効果測定程度のミニテストあり)
対象工具
1.携帯用グラインダ
ディスクグラインダ、ポータブルグラインダ、ハンドグラインダ
2.卓上グラインダ
3.切断機
4.その他
スインググラインダ、ワゴングラインダ
内容
その1 講習内容
研削といしで扱う工具には「研削」と「切断」があり、砥石の取替を行う場合には、それぞれロックナットやフランジの向きに注意する事。というような講習。
銘板の見方と砥石の選び方なども教えてくれ、最高使用周速度を超えて使用すると砥石が破砕するから気を付けてね、などさらっと説明を受けた。
大抵の人が特別教育を受ける前にディスクグラインダを扱っているので、講習自体はスムーズに終わった。
個人的には、カーボンブラシの交換方法を教えてもらえたことが有りがたかった。
カーボンブラシを交換せずに無理して使い続けると、使用中に謎の焦げ臭さが漂い始め、煙が出るようになり、最終的に購入額より修繕費の方が高くなる。という経験を積む前に知りたかった。
その2 保護具
回転工具のため、使用時の軍手禁止。
作業時の保護メガネの着用。
研磨を行う場合は、防塵マスクが必要。
その3 安全装置
研削用と切断用で砥石の「覆い(カバー)」が異なる。
ディスクグラインダの購入時には研削用の覆いしかついてこないため、切断用として使用しようとすると、切断用の覆いをそろえなければならないので、注意が必要。
覆いがない状態で作業をしたいのであれば、直径50㎜以下の砥石で作業するしかない。
安衛法で直径50㎜以下の砥石であれば覆いは無くてもいいとされている。
インナーカッターや(配管の)内径カッター等と呼ばれるものがそれにあたる。
その4 法令関係
作業開始前は1分間の試運転、砥石交換時は3分以上の試運転が必要。
現場で貸し借りの多い工具だが、他人に対象工具を譲渡、貸与する場合、安全装置(保護カバー)が付いていないと、譲渡・貸与できないため注意が必要。
雑感まとめ
ディスクグラインダの覆い(カバー)に対するチェックが厳しくなりつつある。
狭い場所での切断作業では、覆い無しのディスクグラインダーが重宝されていたが、インナーカッターやセーバーソーに置き換えて作業するのが良い。
保護メガネの着用についても厳しく言われている。
はつり系の工具は目の前でコンクリートの破片が跳ねているのが見えるから、保護メガネを着用している人が多いが、切断系の工具は油断して保護メガネを装着せずに、切りくずが目に刺さって取れなくなってしまう人がいるらしい。
という話をベテランの職人さんに持っていったら「俺もあるよ。ほらここ」って白目の端にぽっこり小さな吹き出物が出来ていた。今でもゴロゴロ違和感が残っているとか。普通に怖い。
目の傷はすぐに修復機能が働くから、異物が刺さるとなかなか取り出せなくなってしまうらしい。
これ系の話は話を聞くだけで痛いので、保護メガネの着用はしっかりお願いします。