クレーン運転
吊上荷重5t未満のクレーンを運転する作業員に対して行わなければならない特別教育。
クレーン運転特別教育で運転可能なのは、5t未満の天井クレーンと跨線テルハのみ。
5t以上の床上操作式クレーンを運転する場合は、技能講習が必要。
その他のクレーンを運転する場合は、免許が必要。
クレーン運転
資格要件
資格区分:特別教育
受講日数:2日間
受講要件:18歳以上
難易度:受講すれば取得可能(効果測定程度のミニテストあり)
内容
その1 特別教育のクレーン
クレーンの種類や、クレーンの資格は複数あるのでどれがどれだかわかりづらい。
クレーン運転の特別教育であれば、基本的に天井クレーンの教育。
跨線テルハはI形鋼の天井クレーンのこと。
「吊上げ荷重」とはクレーンに負荷を掛けられる最大荷重のこと。
「定格荷重」とは吊上げ荷重からフック等の吊具の重さを差し引いた荷重のこと。
吊上げ荷重=定格荷重+フック等の吊具の荷重
クレーンの銘板等に記載されているのは定格荷重であり、吊上げ荷重ではないので注意が必要。
その2 クレーン用語
天井クレーンで覚えておくべき操作用語は、「巻き上げ」「巻き下げ」「横行」「走行」くらい。
ちなみにホイストの運転方式でクレーンの種類が変わる。
「床上操作式」……天井クレーンで、吊り荷と運転者が一緒に移動するもの。
……吊上げ荷重5t以上は技能講習の受講が必要。
……5t未満は特別教育・技能講習で運転可能。
「床上運転式」……天井クレーンで、横行方向のみ一緒に移動しないもの。
……吊上げ荷重5t以上は免許が必要。 (技能講習では運転不可)
……5t未満は特別教育・技能講習・免許で運転可能。
その3 操作用語
インチングとは、ポチ、ポチと等間隔に上昇・下降ボタンを押す操作のこと。
インチング操作はクレーンの各部に負荷をかける操作のため、乱用は不可。
地切り・荷卸しのときにだけ使う。
ノッチには、操作方向によって走行ノッチと横行ノッチと追いノッチがある。
走行または横行操作をして停止させると、吊り荷が操作方向に激しく振れるため、振れを取るための操作のこと。
その4 操作
操作で重要なのは「インチング」と、「走行ノッチ」「横行ノッチ」「追いノッチ」。
荷の安定の確認や、地切りの際は「インチング」で少しづつあげる。
荷が振れるのを防止するために「走行ノッチ」「横行ノッチ」をしてから、荷を走らせ、ブレーキ後には「追いノッチ」で荷の振れを取る。
1度の追いノッチで荷の振れを取ろうとするのではなく、リモコンを両手で持って「振れ方向」と「反対方向」のボタンをタイミングよく手早く押して、振れを取ってあげた方が良いとのこと。
リズムゲームが好きな人は得意かもしれない。
雑感まとめ
操作方法を知っていればとても簡単だが、知らないと荷が暴れて周囲に激突する。
「教育や講習は受けたことが無いけど、クレーンの操作はできる」という言葉には注意が必要。リモコンの操作ボタンの配置は知っていても、荷が振れることを知らずに周囲に激突させることがある。
教育日程は2日間と少し長いが、内容自体は難しくもなく、実技も割と楽しくやらせてもらえるので、未教育で無駄に頑張るよりも、一度教育を受けてみることをお勧めしたい。